カンガルー袋のなかからコンニチハ!

一度はカンガルーの袋に入ってみたい人のブログ。

美しき衣と塔の色 華やかな仏たち

お寺参りが趣味の一つだ。古い建物がいい。仏像もいい。神社の鳥居をくぐるか感覚もいい。ここは聖域なのだという結界の象徴だ。気分も引き締まってくる。おごそかな気になってくる。通いなれた境内も違った景色に見えてくる。これが精神世界にいいのだ。落ち着くことで自分の他の一面が開かれる。そう信じたいし、信じられる。

 
幔幕の5色。さまざまな謂れ因縁があるのだろう。日本に仏教が入ったのは飛鳥時代(現在では古墳時代と区分されるらしい)とされているが、それ以前にも目には見えない形でこの島国のあちこちで浸透されていったに違いない。それはともかく、いわゆる八百万の神を信仰していた当時の和人たちにとって理路整然とした仏教の世界観は革命的な出来事としてとらえられたはずだ。

極彩色の僧侶の衣。美しい仏像たち。神秘的な響きを持つ読経と声明(しょうみょう)。圧倒的な数の経典。厳かな儀式。これら、土俗の神々には持ちえない魅力にあふれた世界観に圧倒された当時の権力者は恐れおののき、大陸から渡ってきた「異国」生まれの神仏を自分たちに取り入れたのだ。聖徳太子の諸々の改革もそれを背景にしている。大陸の混乱期もそれに加勢した。文化難民として見知らぬ東の島国に渡ってきた数知れぬ渡来人たちがもたらした結果だともいえる。

寺社仏閣を訪れる度に思うのは世を去った人の事だ。静かに掌を合われる。思い出が溢れてくる。実にさまざまなことがあった。それが今に繋がる。